かえるくん と けらくん

自分は、読み聞かせボランティア活動をしています。あちこち出かけるわけではなく、地域の小学校へ行っています。

基本は木曜日の朝、1時間目が始まる前に8:30~8:45くらいの間で活動しています。

今年度最初のクラスは、特別支援学級でした。それぞれの個性を大切にしながら学習を進めるクラスで、みんな元気よく挨拶してくれます。学年が違っても仲良し同士のクラスで、読み聞かせに行くと喜んでもらえるので、やりがいを感じます。今日の絵本は、今鳴き声が聞こえる生き物、という視点で選びました。

こどものとも 2010年 07月号 「かえるくんとけらくん」 得田久之/作 やましたこうへい/絵

かえるくんもけらくんも、お互いの鳴き声に惹かれあって、隣同士に住むことにしました。かえるくんは地面の上で、けらくんは地面の下で暮らしながら、遊んだり、歌を歌って楽しみます。ある日、もっと一緒にいたいなと思ったかえるくんが、けらくんを地面の上に誘いますが、けらくんがどうしても来てくれません。だんだん腹が立ってしまったかえるくんは、思ってもいないことをつい言ってしまい、けらくんと気まずくなってしまいました。

子ども同士の、よくある些細なケンカかもしれませんが、物語の中の二人にとっては深刻な問題です。ほのぼのと始まったストーリーなだけに、聞き手の子どもたちは、心臓のドキドキ音が聞こえてくるほど息をのんでいました。耳が痛くなるような静けさで、読み手はのみ込まれないように落ち着いて読み進めました。

ケンカしているときに限って、一人に災難が降りかかるものです。かえるくんに命の危険が及んだ時、けらくんはケンカしていたことも忘れて、自分が地面の上に出てきたしまったことも忘れて、必死でかえるくんを助け出そうとします。

物語のクライマックスがどこにあるか、人それぞれかと思いますが、私の中でのクライマックスは、けらくんが慣れない方法で空を飛んだ時でした。ここからは、やっと聞き手も息をついたようで、読み手の私もほっとしたのを覚えています。

この絵本を読んだ後、手書きで描かれたけらくんのことを、知っている子がどれくらいいるか、問いかけてみました。『けら』という名前は『手のひらを太陽に』の歌で知っていた子どもたちですが、本物は「知らな~い」というお返事。私は自宅にあった少し古い図鑑(『ポプラディア大図鑑WANDA 昆虫』ポプラ社 2012)と、ネット検索で2点印刷しておいたケラを見せながら、生態や見た目を説明しました。

今は、児童一人一人にタブレットが配布されています。早速調べてみます、という声が聞こえました。また、子どもたちは学校の菜園で野菜を育てているらしく、「お世話しながら土の中見てみますね」と先生もおっしゃっていました。物語絵本ではありましたが、そこから実際の体験活動につながるならこんなに嬉しいことはないです。今日もじっくり聴いてもらえて本当に充実した読み聞かせ時間でした。

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