自分は、読み聞かせボランティア活動をしています。あちこち出かけるわけではなく、地域の小学校へ行っています。
基本は木曜日の朝、1時間目が始まる前に8:30~8:45くらいの間で活動しています。
今年度最後の読み聞かせは、1年生でした。もうすぐ2年生になる子どもたち。教室の壁には、すばらしい図工の作品が並んで貼ってありました。半年前に観た時より輪郭が力強く、作品そのものからでるオーラが強いな、と感じました。1年生のクラスは反応が面白くて、毎回行くのが楽しみです。今回も入るなり、「あー、読み聞かせの人!」と、手を振ってくれる子どもたち、可愛いなぁ・・・とこちらも笑顔で手を振ります。
1冊目にはもうすぐ旬になるものを選びました。
『おべんとうをたべたかったおひさまのはなし』 月刊絵本こどものとも 2015年5月号
本田いづみ/文 伊野孝行/絵 福音館書店
これは縦長にしてページをめくる絵本です。読み聞かせに慣れている子どもたちでも、ずっと縦長で進む絵本は珍しいらしく、よく魅入ってくれました。おひさまのあたたかい光でタケノコがぐんぐん伸びて、ひっかかった包みの中のおにぎりをおひさまが食べちゃう、というストーリーです。タケノコって、そんなに生長が早い?と思う子もいたようで、「そんなにー!」と声が漏れてきました。読み手としては、子どもたちの成長もタケノコのように早いよ、という気持ちですが、それを伝えたことはまだありません。
次はご当地メニューにもある、ホタルイカの絵本を選びました。ちょうどこの時期、給食のメニューで出るので、表紙を見せたとたん、「あー!昨日食べた!!」という声が次々あがりました。
『ほたるいか』 月刊絵本かがくのとも 1985年6月号
冨田百秋/作 奥谷喬司/監修 福音館書店
かがくの絵本は、1~2年生の子どもたちによく読みます。興味深く聞いてくれるのはもちろん、質問もしてくれるからです。
ホタルイカの味を聞くと、「美味しい!」という声はありませんでした。ホタルイカの生きている様子を知っているか聞くと、意外に「知らない」という答えが返ってきました。地元で身近にありすぎると、幼いうちはあまり学ぶ機会がないのかもしれません。地域のことを中学年で学習するからでしょうか。
読み進めていくと、ホタルイカが生む卵の数で「えー!」と声が上がりました。なんと2000個も生むんだそうです。あの小さい体に2000個の命!そのほとんどが食べられることをわかると、今度は「えぇ~‥‥」。たくさん生むのは、理由があるからなんですね。大きくなるまでは深海で生きるホタルイカの子どもたち。「えさは何?」という質問に、読み手が答えられないでいると、クラスの先生が「みんなで調べてみましょうね」とサポートしてくださいました。かがくの本を読み聞かせるときは、色々下準備も必要だったと反省しています。
読み聞かせが終わると、日直さんが2人出てきてお礼の挨拶をしてくださいました。「1年間ありがとうございました。」と言いながら、手渡しで頂いたのは、感謝の気持ちが書かれたメッセージカード入りのバッジ。とても心が温まりました。
クラスを出ると先生から、「ありがとうございました。息子さん、ご卒業ですね。おめでとうございます。」と声をかけられました。私は、「息子は卒業するんですが、読み聞かせのオバちゃんとして、これからも続けていきますので、よろしくお願いします。」とお返事した次第です。喜んでくださってホッとしました。
自分も含めて、地域全体で小学校の運営や活動を支えていけたらいいな、と考えています。また来年度も、時間を作って読み聞かせを続けていこうと思います。