自分は、読み聞かせボランティア活動をしています。あちこち出かけるわけではなく、地域の小学校へ行っています。
基本は木曜日の朝、1時間目が始まる前に8:30~8:45くらいの間で活動しています。
コロナ感染予防のために延期されていた読み聞かせ活動ですが、9月から再開されました。自分は農繁期で収穫作業が続いていたので、今回からの途中参加になりました。マスクをしたままの読み聞かせ活動で、声の出し方や息継ぎの仕方に工夫が必要でしたが、なんとかやってみましたよ。
今日は6年生の読み聞かせでした。
ある冬の夜に突然サイがやってくるお話です。6年生にしてみたら、読み聞かせをしてもらって6年目。はじめの1~2ページでストーリー展開を判断する癖がついているようです。『あ~、女の子の想像の世界が広がるファンタジーの話かな・・・』というような気持が読み手に伝わってきました。
ところが、この絵本はすべてリアルなお話なのです。現実に起こったリアルではないのですが、女の子の想像の世界で起きるお話ではない、という意味でのリアルな世界なのです。
読み進めるうちに、聞き手の『あれ?』とか『マジな世界じゃん』とか、『え?人間の薬をサイに飲ませていいの?』という呟きが聞こえてきました。読み手にとっては嬉しい瞬間です。『しめしめ、ひっかかったね!』という感じ。
説明が多く、最後まで聞くのに辛抱が必要なこの絵本。中盤からはどう飽きさせないように読むかがカギになるんですが、さすがは6年生、辛抱強くじっくり付き合ってくれました。結果、女の子の人生と共に歩むサイの命をゆったりと味わってもらえました。
読み終えた時に担任の先生が話をしてくださいました。
「これで皆さん、サイとの付き合い方も病気の治し方もわかりましたね?もし、大きなお家に住めることになったら、是非、先生も招待してください」
するとクラスから、「でもさ、バタートーストってどうやって作るんだっけ?」と声が上がり、誰かが「パン焼いて、バターぬれば大丈夫!」と答えてくれました。教室の中ではリアルな話としてサイの飼い方が繰り広げられたのです。
とっても嬉しい時間でした。絵本を読んだ後に、それを心の中で消化して、人と話をすることでその世界を共有する、という読み手が理想とするものを見せて頂いた時間でした。
まだまだコロナ感染予防の時期は続くと思いますが、可能な範囲で、絵本の世界を小学生の皆さんや先生方と共有していきたいと思っています。