自分は、読み聞かせボランティア活動をしています。あちこち出かけるわけではなく、地域の小学校へ行っています。
基本は木曜日の朝、1時間目が始まる前に8:30~8:45くらいの間で活動しています。
2月最後の読み聞かせは、4年生でした。季節の変わり目は風邪をひきやすいので、と思い、この絵本を選びました。富山の2月は、4月のように暖かい日と、真冬並みに寒く雪が降る日とが、3日ごとに交互にやってきていました。
『サラダでげんき』 角野栄子/作 長新太/絵 福音館書店 1981年
4年生くらいになると、サラダを作ってみたくなるかな、と思っています。野菜を切ったりちぎったりするなんてお手のもの…、という子どもさんが多いです。この絵本では、いろんな動物たちが女の子にアドバイスをしてくれます。病気のお母さんのためにサラダを作ろうとする女の子を、ついつい応援したくなるこの絵本。動物たちも同じ気持ちなのだと思います。遠くアフリカからやってきた動物に、クラスの何人かがクスっと笑ってくれました。どうやって女の子がサラダを作るかを知ったか・・・なんて、絵を描いた長新太さんにとってはちっぽけなこと。子どもたちは主人公と一緒に、サラダ作りと動物たちとのふれ合いを楽しんでくれました。
2冊目は外国の絵本を読みました。子どもが大人をやっつけるストーリー。4年生には、ギリギリ楽しんでもらえるかな、と思って選びました。
『どろぼうとおんどりこぞう』
ナニー・ホグロギアン/文・絵 はら しょう/訳 アリス館 1994年
貧しい母子家庭の男の子のお話です。私たち日本人には馴染みがありませんが、絵本に出てくる国では、おんどりをベーカリーに頼んで丸焼きを作ってもらうのですね。外国の暮らしを垣間みた子どもたち、読み始めから興味津々でした。
特別な日にしか食べられない大切な丸焼きを、どろぼう3人組にひったくられ、からかわれてしまった男の子。次の日から、どろぼうに仕返しをしていきます。一人ずつ、じわじわと、最後は3人まとめて。そしてようやく、念願の丸焼きを食べて、お母さんとニッコリする男の子。映画の『ホームアローン』のように派手な演出はありませんが、心がすっと軽くなる読後感です。クラス全員がマスクを着けているのですが、クラスの何人かは、ニンマリしているような感触がありました。
読み聞かせの後、クラスの先生が話してくれました。
「この一年は、いろんな行事や活動がなくなったり制限されてきたけれど、読み聞かせの皆さんは変わらず学校へ来て下さって、面白い絵本の世界を教えて下さいました。皆さん、目をつないで心からのお礼を言いましょう。このクラスでは、今年度最後の読み聞かせでした。」
そうして日直さんが挨拶をし、続いて全員の子どもたちからお礼の挨拶がありました。1年生の頃から見てきた子どもたち、高学年にあがる顔になっていて、感無量の読み聞かせボランティアでした。