変わらない手仕事 そして 上書きごと

梅雨入りしてしばらく経ちます。しとしとと雨が降ってほしいですが、最近は急な雷の後に集中的に豪雨が降ってくるので少し怖いと思っています。実家が宮崎県なのですが、子どものころ、よく夏の夕方にスコールが降っていました。熱帯地方の北端が宮崎県だった気がしています。ところがその熱帯の地域が北進しているように感じるのです。
今住んでいる富山県と宮崎県はずいぶんと離れているのですが、子どもの頃の天候と今の富山県が似ているなと感じることがあるのです。地球温暖化は着実に進んでいるのですね。

今年も梅仕事

さて今年も梅仕事をする時期になりました。今年は梅干し用に10キロ、梅シロップ用に6~7キロほどでしょうか、手に入りました。”おいしくなぁれ”の気持ちを込めて、それぞれの手仕事をやり終えました。毎年同じ手仕事を続けています。先に書いた地球温暖化の波にもまれて手に入りにくい材料が増える中、今年も立派な梅が我が家に来てくれたことは本当にありがたいことだと感じています。8月の土用の梅干し作業もうまく出来ればいいなと願っています。

まずは白梅漬けから

梅シロップも作ります。

2022年 半年が過ぎて

ここ日本では、一年の半分が過ぎたころに、これまでの無事に対する感謝と年の瀬までの安寧を願って神社にお参りする習慣があります。神社によっては茅の輪(ちのわ)くぐり=夏越しの祓(なごしのはらえ)行事を行うところもあります。自分は当日(6/30)仕事で参加できませんが、個人的に近くの豊栄稲荷神社にお参りをして、無病息災を願いました。

憧れだったご夫婦の展覧会

富山県立水墨美術館の招待券を頂きました。白洲次郎・正子展です。ずっと憧れていることを誰にでも話す自分です。気にかけてくださった方が、招待券を譲ってくださいました。感謝しています。大好きなこと、やりたいこと、なりたい自分、口にしておくものだなぁと、恥ずかしながら自分の前向きなところを発見しています。

今までずっと憧れてきて、お二人の著書を読む、インタビュー記事を読む、終家(旧白洲邸・武相荘”ぶあいそう”)のことを調べる、お二人の経歴を自分なりに調べる、とファンとして追いかけてきました。けれども、実際にお二人がお持ちだった品を目の前にするのは初めてでした。古いものが大好きな自分は、触れることはできずとも、お茶碗なり、日記なり、着物なりを目にすることは正に眼福!ありがたいなぁとじっくりと拝見させてもらいました。何度も観たくて、会場を再度めぐっている時でした。
ふと感じたのです。今までお二人のご夫婦のあり方に憧れ、持ってらっしゃる品やそれぞれの生き方に心底憧れてきたけれど、私は私の生き方をすれば良いんだなぁ・・・と。
なんだか、優しいお二人に、『そんなに気負わず、誰かを憧れたりせず、自分の心を見つめて、素直に正直に生きなさい。』と声をかけてもらえたように感じました。そういえば、お二人とも恥ずかしがり屋さんではありましたが、生き方には芯がありました。私はそう思っています。憧れだったお二人が手を差し伸べて、自分を同じステージに引き上げて下さったような気がしたのです。一年ほど前、同じように温かな言葉をかけて下さった方がいます。ずっと見守るように応援してくださっていますが、自分はやっとその言葉の壁を越えられたような気がしています。

私の中の上書きごと

それは、ほんの一瞬の出来事でした。私が憧れることから自由になったと感じた時でした。
地震のアラームがその場にいた全員の携帯電話から鳴り響いたのです。能登地方の震度5を知らせるアラーム音でしたが、盛況だった会場で全員のアラームが鳴ったのです。それはほとんど悲鳴に近い恐怖体験でした。その恐怖と私のふと感じた瞬間が重なってしまったのです。

案の定、私は白洲次郎・正子ご夫婦を憧れの存在ではなく、同じ仲間(表現者=アーティスト)として上書きしたのでした。私は私の生き方をしようと思います。誰かと比べたり、憧れだけで終わらせることなく、やりたいことを夢中でやり続けていくつもりです。これはここ最近の私の出来事の中で、ちょっとした上書きごとになりました。招待券をくださった方、本当にありがとうございました。

美術館の帰りに見た夕空

なりたいものになります

ハンドメイドの手仕事を表現する場や、写真を撮って言葉を綴る場、描きたいと思う絵も少しずつですが描ける環境が整ってきました。毎日何かしら積み上げていく中で、お金がなくても、手や心が思うように動いてくれるようになってきました。私はそろそろ(自称ですが)アーティストとして活動していこうと思います。元々低価格帯の品を量産することはできない自分でしたが、やっと自分なりの付加価値を付けてみることにします。今回、白洲ご夫婦にさりげなく(けれど私の中では強烈に)背中を押してもらえたことは幸いでした。

なりたいものになると発信することが、こんなに勇気のいることだったとは・・・。思ってもみませんでした。私はどこかで自分の限界を勝手に定めて、なりたい自分(表現者=アーティスト)には到底なれないと思い込んでいた気がします。

今この瞬間を大切に

けれども良い出会いがあり、大切な絆を持つことができています。気づかされること、教わることがたくさんあります。そこからの繋がりが広がってきて、過去のことは過去のこと、未来のことはその時までそっとしておける自分が今ここにいます。今という瞬間に向き合うことは、とても勇気のいることですが、自分はなりたいものになりたいと思います。

これからもどうぞ末永く

ここまで、もし読んでくださった方がいらっしゃるのでしたら、心から感謝します。もしよろしければ、これからも末永く、苺いち絵の店主・いち表現者としてお付き合い下されば幸いです。これからもどうぞよろしくお願いします。

梅雨半ばの早朝の空

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